プロしか知らない真実…3DCGアニメーターもモーションキャプチャーのスキルも必要?
映画等でよく使われるようになったモーションキャプチャーを知っていますか?
よりリアルな動きをより簡単に撮ることが出来るんです。
専門学校等でカリキュラムに組まれていることが多いんですが、実際に現場で使うことがあるのだろうか?と疑問に思った事はありませんか?
実際、現場で働いていた自分がどの業界で使われることが多いのか、使われる場合、どういったことをするのか紹介していきます。
( こんなことが分かります)
✔ 3DCGアニメーターもモーションキャプチャーが必要かどうか(業種別に紹介)
✔ 必要だとしたら、どういったスキルが必要か
モーションキャプチャーって?
実在する人間の動きをデータとして取り込み、3DCG上のキャラクターに割り当てる方法。
近年の3DCG映画では、比較的多くの作品がモーションキャプチャーを取り入れられています。
日本でも3DCG系のPVや映画でもモーションキャプチャーを取り入れていますが、まだまだ発展途上です。
・モーションキャプチャーしたデータを3DCG上に取り入れるまでの流れ
実際、3DCG上のキャラクターに流すまでの一連の流れは下記のようになっています。
一連の流れ)
アクターが特殊なスーツ(全身タイツにポンポン玉みたいのを沢山ついたもの)を着て、動く。
↓
データを所得し、ダメだったり、エラーが出た場合取り直す。
↓
無事データが所得し終わったら、3DCG上のキャラクターに流す。
※3DCG上のキャラクターも流せるようにするため、特殊な設定をする。
↓
データを3DCGのキャラクターに流し、動きを確認し、修正していく。
データを所得するときは、パソコン上で設定したり、確認したりする人とアクターのスーツを着させたり、片づけたりする人数人でやる場合が多いみたいです。
実際、自分が体験したときは、とあるスタジオを借りて、自分がアクターのスーツの調整など手伝っていました。
・モーションキャプチャーの仕組み
アクターの特殊なスーツがありますよね?
全身タイツにピンポン玉みたいなのがたくさんついている奴です。
そのピンポン玉は、体の部位の位置情報を所得しています。
例えば、腕の手首や肘についているピンポン玉では(実際ピンポン玉じゃないけど)手首や肘の位置情報を所得している。
その腕を振ったら、ちゃんと緩急や動きなどリアルに所得してくれる。
そのピンポン玉みたいなのを天井付近についている複数のカメラで位置情報を所得しているんです。
なので…
- カメラを遮るもの。
- ピンポン玉みたいなのが脱落する。
などのトラブルが出たら、しっかり所得されません。
途中でデータが途切れたりしてしまいます。
他にも…
人間って全く動かずに立っていることって意外と難しいく、止まっているときの微妙な揺れもしっかり所得してしまうんです。
ここは、3DCG上のキャラクターに流した時に修正していく感じですね。
3DCGアニメーターもモーションキャプチャーのスキルは必要か
本題の3DCGアニメーターもモーションキャプチャーのスキルが必要かと言えば、必要はない。
ただ、これは、モーションキャプチャーを取る時に設定する人のスキルが必要ないだけです。
3DCG上にモーションキャプチャーのデータを流した時にそのデータを修正するスキルが必要なんです。
ただ…モーションキャプチャーのデータを撮る側の人間になりたい!とかなら別ですが、ただ、一端のアニメーターがもモーションキャプチャーを撮る技術が必要かと言われれば必要ないってことですね。
では、全ての3DCGアニメーターに必要かと言われればそうでもないです。
・モーションキャプチャーのデータを扱う率が高い業界は?
あくまで扱う率が高いというだけで、全ての業種モーションキャプチャーが使われているとは思います。
その中でも多いのは、この2つとなっています。
- 音楽などのPV業界
自分は、この音楽のPV製作の時にモーションキャプチャーのデータを撮る手伝いをし、そのデータを3DCG上のキャラクターに流していました。
音楽のPVでは、ダンスなどのモーションもあるため、そういったデータをつけるより、モーションキャプチャーで撮った方が速かったりします。
- 映画業界
ハリウッドではよく使われていますね。
アナと雪の女王では、全ての動きがモーションキャプチャーで作られているそうですよ。
他にも実写で3DCGで製作されたキャラクターをモーションキャプチャーで取り入れたりしています。
人外のモンスターの動きですら、人間が動いてそのデータを使ったりしているそうです。
海外では、モンスター専用のアクターさんもいるみたいです。
3DCGアニメーターが必要とするモーションキャプチャーのスキルとは
次に気になるのがもし3DCGアニメーターがモーションキャプチャーの知識を必要とした場合、どのようなスキルが必要なのかという点です。
上記の3DCGアニメーターもモーションキャプチャーのスキルは必要かでも話した通り、3DCGアニメーターが必要とするのは、データを所得する人ではなく、データを3DCG上に流した後になります。
そう、流したデータを修正する人です。
これは、3DCGアニメーターに必要な知識や3DCGアニメーターに必要な技術とは違うスキルが必要になってきます。
その流したデータを修正するスキルは、どういったものが必要なのか紹介していきます。
主に大きく分けて2つになります。
1、モーションキャプチャーのデータを理解するスキル
2、データの修正の仕方
・モーションキャプチャーのデータ修正スキル1)データを理解するスキル
モーションキャプチャーのデータというのは、全てのリグにキーが打たさっており、10秒/30fpsならば、300フレームの全てのリグにキーが打たさっているんです。
それを動きのバクを修正するところからスタートします。
他にもキャラクターも特殊なものを使っていることがほとんどです。
いつも使っているモデルのリグは、モーションキャプチャーのデータを流す用ではないので、流す用に設定したキャラクターが使われます。
その構成、使い方も理解しなければなりません。
実際どうすればスキルが身に着くの?
こればっかりは、経験を積むしかありません。
モデルも働く会社によって特性が違うはずですから、その会社で経験を積んだり、データ自体もモデルが会社によってバラバラなのであれば、特性とかも違ったりしてきます。
モデルによってこういう動きが苦手とか脚がよくバグりやすいとかあるので、それは、会社の人に聞いてみるしかないです。
ちなみに自分がモーションキャプチャーのデータを3DCGのキャラクターに流した時は、
- 回転する動き
- 激しく肘膝を曲げる動き
- XYZ軸を激しく移動する動き
がバグりやすかったです。
こういう風にバグってしまう原因は、カメラと位置を伝えるピンポン玉みたいなのが認識されづらくなってしまうからです。
大体6こくらいのカメラが設置されているんですが、どうしても場所によっては、玉が隠れてしまい、データが所得できない。
動きが速すぎてカメラが上手く認識してくれないっていうことがあります。
現状最新型だともっとその辺の精度が高くなっているかもしれませんが、こういう事が多いので、覚悟してください。
・モーションキャプチャーのデータ修正スキル2)データの修正の仕方
これもモーションキャプチャーのデータを修正スキル1と似ている部分がありまして、その会社のモデルのリグ次第なところがあります。
ただ、言えるのは、モーションキャプチャーで撮ったデータを消し過ぎないことです。
消しまくってしまったら、戻れません。
いつも以上に慎重にキーを修正していく必要があるんです。
自分でキーを打ち直しても全てにキーが打たさっているので、どうしてもカクツキとなって目立ってしまうんです。
なので、「キーを消す」のではなく、「キーの動きのグラフの波を滑らかにする」ことをイメージして修正してみてください。
そうすると比較的綺麗に修正されることが多いです。
だが、たまに波をキレイにしたら、腕など修正した箇所がとんでもない動きをしてしまう…なんてこともあるので、ここはしっかりと別名保存を多用してすぐに戻れるようにしながら作業しましょう。
おまけ)前田健さんと仕事したときの話
実は、モーションキャプチャーを撮る手伝いをしたときに松浦亜弥のものまねで有名な前田健さんと仕事したことがありました。
その時、アクターさんに指示する立場でいた前田健さんなんですが、その場で踊って見せたりしていました。
やはり、あのものまねをやっているようなキレのある動きが出来る人は違うなと感じましたね。
3DCGデザイナーになったら、こうやって有名人に会ったり、それこそアニメ業界に入ると有名な声優に会ったりすることができます。
ちょっとミーハーですが、こういうのも3DCGデザイナーになってよかったなって思える出来事の一つですね。
因みに帰りに女優のYOUさんとすれ違って、ちょっとテンションが上がっちゃいましたね笑
マネージャーみたいな人2,3人としゃべりながら歩いてました。
3DCGアニメーターもモーションキャプチャーのスキルも必要?のまとめ
3DCGアニメーターが必要とするモーションキャプチャーのスキル
1、モーションキャプチャーのデータを理解するスキル
実際どうすればスキルが身に着くの?
経験を積むしかない。
理由)会社によってモデルの仕組みが違うので、そのモデルに慣れなければならない。
2、データの修正の仕方
「キーを消す」のではなく、「キーの動きのグラフの波を滑らかにする」ことをイメージして修正するのがコツ。
バグりやすかった動き
- 回転する動き。
- 激しく肘膝を曲げる動き。
- XYZ軸を激しく移動する動き。
モーションキャプチャーのデータを扱う率が高い業界。
- 音楽などのPV業界
- 映画業界