各伏線と小道具の使い方が秀逸なホラー…悪魔がみている(感想、考察)
悪魔がみているより引用
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ロモーラ・ガライ監督デビュー作で、とある家に療養に行ったら、不気味なことに巻き込まれていくホラー映画。
撮影手法や神秘的な森のシーンがある一方、過去と現在の話が同時並行しつつ、内容が一部難解であった作品。
この映画の感想と考察を紹介していくぞ。
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キャスト
カーラ・ジュリ
アレック・セカレアヌ
アンゲリキ・パプーリァ
イメルダ・スタウントン
あらすじ~
仕事でけがを負った元兵士のトマスは、修道女にある家での療養を勧められる。
古いその家には老いた母親と娘が住んでいたが、母親は病弱で屋根裏部屋から出ることがないようだった。
トマスは徐々に生活に慣れていくが、家の中にただならぬ気配を感じ始め…。
U-NEXTの悪魔がみているの作品紹介、解説欄より引用
原題、Amulet
上映時間、99分
監督
ロモーラ・ガライ
製作
マシュー・ジェームズ・ウィルキンソン
マギー・モンティース
製作総指揮
ダミアン・ジョーンズ
クリス・リード
フィル・ライマー
ジェームズ・ノーリー
ボブ・ポータル
インデルパル・シン
フィル・ハント
コンプトン・ロス
ラインハルト・ベッサー
バルター・マイア
脚本
ロモーラ・ガライ
配給、マグノリア・ピクチャーズ
ストーリー…7/10
キャスト…5/10
怖さランク…1/6
個人的評価…6/10
一文感想 ↓
伏線と小道具の使い方が上手い世にも奇妙な物語…まぁまぁな映画。
内容は、とても説明しがたいんだが、イメージ的には世にも奇妙な物語に出てきそうなもの。
ホラー映画だが、怖くもなく、グロもない。
ただ、気持ち悪いシーンが一部ある。
この映画の見所は…
- 小道具の使い方
- 撮影技法
- 後半の伏線の繋げ方
の3つだ。
時折、意味のないようなシーンでもそれが終盤のネタバラシのところで、意味をなしていく。
その時、いくつかの小道具も重要な役割を果たしていて、面白い。
要は伏線だよね。
他にも独特な撮影技法や綺麗な景色は、ホラー映画なのに見惚れちゃうほど。
ホラー映画だとちょっと奇妙な…気持ち悪い感じに見えちゃう不思議ね。
と90分程かなり引っ張る作品。
人によっては引っ張りすぎと思うかもしれないね。
2つの時間軸が平行して進む。
因みに最後の項にこの映画の個人的な考察(ネタバレあり)も書いているので、分からなかった人は、そちらへ。
撮影や構図で見せてくる。
ジオラマ風の手法を応用したシーンやもののけ姫のような幻想的なシーンなど、そういう撮影や幻想的なシーンが好きな方にオススメ出来る。
ちょっと変わった、世にも奇妙な物語風のホラー映画を観たいという方は特にオススメだ!
他の人のレビューだと…
フィルマークス 2.8
映画.com なし
フィルマークスにもレビュー50以下しかない作品。
引っ張りすぎという意見があった一方で、森の雰囲気などはとても良いと言っている人もちらほら。
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下記詳しい感想 ↓
どんな映画?)兵役でケガを負った主人公が要領先の奇妙な館で過ごす
主人公は、兵役後、路上生活をして、日々を過ごしていたりしたが、後に修道院から紹介された療養先に行くこととなる。
その家は、娘と母親の2人暮らし。
だが、母親の姿は見せてもらえず、うめき声等が聞こえる始末。
何かおかしいこの家で、主人公は、娘に惹かれていく。
ちょっと特殊なホラー。
心霊系とか胸糞悪いとかでもない。
とても例えようがないが、世にも奇妙な物語とかに出てきそうな内容のホラー映画だった。
ほぼグロとかはない。
2つの時間軸が平行して進む。
この映画は、主人公の過去の兵役をしていた頃の話と現在修道院から紹介された療養先での話の2つが同時並行して進む。
最初は、何が何だか分からないが、終盤になっていくと「そういうことか!」と納得する作品になっている。
何かの伏線なんだろうけど、全く意味の分からないシーンがチラホラ出てくるが、これも終盤になって、一つに繋がっていく。
伏線が一つに繋がって、すべでの真相が分かった時のスッキリ感とゾワっと感は、とても面白い。
こうも上手く繋げれるのは、やはりストーリー構成が上手であったからだろう。
各シーンの繋げ方や後の繋げ方とちゃんと考えられている。
人によっては、「どういう意味だ??」ってなることもある作品。
そういう系統の作品が好きという方は、とてもオススメ。
因みに最後の項にこの映画の個人的な考察(ネタバレあり)も書いているので、分からなかった人は、そちらへ。
撮影や構図で見せてくる。
内容もそうだが、色々と面白い構図や撮影手法を使っている。
建物の不気味さを出す為に超あおりで撮ってみたり、そのあおりシーンにはティルトシフトレンズで撮ったような画面の淵がぼかしがかかっている手法。
この手法って、俯瞰で街を撮った時にミニチュア模型の感じを出す時に使ったりするんだよね。
言い換えるととジオラマ風ってやつかな。
試しにティルトシフトレンズって検索するとそういう画像が出てくる。
とても面白い手法だなって思った。
他にも森のシーン。
森を真横から撮ったシーン。
もののけ姫のワンシーンのような幻想的なシーン。
何の木か分からないが、超長い木々と霧で、とても幻想的な雰囲気を出している。
そういったシーンがいくつも差し込まれているので、そういう撮影や幻想的なシーンが好きな方にオススメ出来る。
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ネタバレ考察
結構「あれ?どういうことだ??」って思う人が多いと思ったので、ネタバレを含んだ考察をしていこうと思う。
ネタバレ考察は下記の[表示]内に隠しております。
ネタバレ考察
答えを言うと…
- 本当の悪魔は、主人公が愛した女性( 主人公がお世話になった若い女性)。
- 悪魔の本体(主人公が愛した女性)が主人公が森で掘り出した像。
- 屋根裏にいた母親は、昔妻を殺し、娘と結婚しようとしていた男性。
- 主人公は、森で兵士として働いていた時に出会った女性を性的暴行を加えた。
とこの4つとなる。
主人公は、悪魔を産む母体となってしまい、元々母体であった母親(老婆)は、昔妻を殺して娘と結婚しようとした殺人犯。
女性に性的暴行を加えた者に天罰の意味を込めて、悪魔を産む母体にするんだ。
じゃあ、次にどうしてこういう考察に至ったかを解説していこう。
1、本当の悪魔は、主人公が愛した女性。
これは、ラスト付近のシーン。
デカい巻貝の中に入ると、主人公が掘りだした像が立っていた。
そこで、主人公にネタバラシをするというもの。
因みにシスターもグルであった。
そもそも私も欲しかったのよね?とかきれいって言ってくれたよね?みたいなことを言っている。
そういった女性と言えば、主人公が愛した女性で、一緒にダンスとか行った女性しかいない。
それにシスターが「彼自身が選んだ道よ、他の道もあったのに」って言葉もこの答えに繋がる。
このちょっと前のシーンで、主人公は、「彼女がいい」と言い、母親を殺しにいった。
要するに彼女を母親の呪縛に解くために選んだということだ。
これが、シスターが言っていた「彼自身の選んだ道」であり、あの女性が悪魔だという証拠の一つ。
2,悪魔の本体(主人公が愛した女性)が主人公が森で掘り出した像。
これは、デザインを見てみると明らかに似ているから。
観返すと分かるが、すっごいソックリだぞ。
3,屋根裏にいた母親は、昔妻を殺し、娘と結婚しようとしていた男性。
これは、彼女の母親を殺した後にアソコの部分にモザイクがかかっていたが、退化した男のいちもつが映っていた。
それ以外にも古い新聞の切り抜きだったり、その新聞の妻殺しの殺人犯のイニシャルの入ったカバンがあったりと屋根裏にいた母親=娘と結婚しようとしていた男性の構図が出来上がる。
4,主人公は、森で兵士として働いていた時に出会った女性を性的暴行を加えた。
遠巻きのカットではあったが、それを暗示するシーンがあった。
それに母体になっていた男性が性的暴行者だというのも主人公が行った事実に結び付く。
性的暴行者だから、狙われたという事だ。