なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか(ネタバレあり)
非英語圏では、アジア圏で初となるアカデミー賞4部門となるこの作品。
これだけ絶賛されるのはなんだと思いますか?
それにはしっかりと理由があるんです。
劇場で見に行った自分が「だから絶賛されたのか」という風に思わせた理由を7つご紹介していきます。
- なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか(ネタバレあり)
- なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由1)様々な国の問題…貧富の差をテーマにしている。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由2)ハッピーエンドのようで、ハッピーエンドでない独特なラスト。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由3)「貧困差別」が引き金のクライマックスの衝撃度は凄まじい。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由4)独特な緊張感に衝撃のラストと飽きさせない構成。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由5)社会情勢を絡めた「パラサイト」の衝撃的な意味。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由6)全てはお金という綺麗事なしの正直さと多数の衝撃をうまく合わせた。
- ・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由7)パク・ミョンフンのサイコパスさと ソン・ガンホの心情の変化の演技は評価されるべき。
- なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか、まとめ
- なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか
( こんなことが分かります)
✔ パラサイト半地下の家族が人気の理由
✔ パラサイト半地下の家族が絶賛される理由
なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか
映画.comのパラサイト半地下の家族の作品情報より引用
(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞。
第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。
かなり華々しい成果ですね。
これは、アカデミー賞の審査員にいろんな国の人が出始めたからということを言っている人もいますが、それだけじゃないんです。
別にアメリカ人だけだろうが、ヨーロッパ人だけだろうが、アカデミー賞を取ったのは、確実だったのではないでしょうか。
その理由下記の7つになります。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由1)様々な国の問題…貧富の差をテーマにしている。
色んな…ほぼ全ての人種に感情移入させられることが絶賛される…人気の理由なのです。
みんな他人事ではないこの貧富の差というテーマは、見ている人を考えさせ、感情移入させやすくしているんです。
逆に貧富の差がない国ってありますか?
韓国もかなり貧富の差が激しいし、アメリカだって貧富の差がかなりある。
アメリカなんて、2020年はインフルエンザで1万人以上の死人が出たのだとか…
原因は、高額な医療費が払えないから…アメリカは、日本みたいに医療費を負担してくれる制度がないので、医療費全額負担なんです。
1万人以上の死人が出てる以上、貧しい人がそんだけたくさんいるということ。
日本も貧富の差が社会問題化しています。
例えで3か国だしましたが、他の国も当然抱えている問題。
その深刻な問題をテーマにして、赤裸々の事実を描いているのが視聴者の心に刺さるんです。
映画館で観た時はかなり刺さりましたね。
半地下の家族がどれだけ貧しいかという演出が衝撃的だったんです。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由2)ハッピーエンドのようで、ハッピーエンドでない独特なラスト。
ギウがお金持ちになり、パク社長を殺したギテク(豪邸の地下に隠れ住んでる)を助けて終わるラストは、一見ハッピーエンドだが、貧富の差はなんら変わってないし、ギジョンも亡くなっており、遺恨を残す形になっている。
どこかスッキリとしないが、幸せを手に入れた…観終わった後考えさせる終わり方が絶賛される大きな理由の一つです。
パーティにグンセが包丁を持って襲い掛かる狂気と衝撃の展開にパク社長を殺すどんでん返し的な衝撃…そこから家族の絆を見せる展開は、観終わった後呆然としてしまった人が多いはず。
自分もあまりの衝撃に呆然としてしまいました。
この呆然としてしまう感覚こそ絶賛される映画の特徴です。
ここで一つ例えをだしましょうか。
ジョーカーがありますよね?
ホアキンフェニックス主演で主演男優賞を取った作品です。
あの映画も似たような衝撃が走りました。
観終わった後、ジョーカーの壮絶な終わり方に呆然としてしまったんです。
このジョーカーは、ツイッターでジョーカーの衝撃というハッシュタグで相当な件数をたたき出してました。
それだけ、その呆然としてしまう人が多かったんです。
ジョーカーの考察記事)
この大きな共通点は一つ。
観終わった後、あまりの衝撃的な展開に呆然としてしまう事。
これこそが人気…絶賛される要因でしょうね。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由3)「貧困差別」が引き金のクライマックスの衝撃度は凄まじい。
パク社長のグンセを見る顔は、まさに貧困差別だ。
それが引き金でパク社長はギテクに殺されてしまう…そう、貧富の差と差別の要素を盛り込みつつ、衝撃的な展開に持ち込んだ事が大絶賛された理由なんです。
絶賛される意味が分からないですか?
まぁ、貧富の差とか差別の要素を絶賛するというより、2つの大きな社会問題と今までの話の展開に加え、今までに観たことのない衝撃度が合さっての絶賛なんです。
他人事とは思えない問題を取り扱い、現実にありそうだから…どこかリアリティがあるんです。
もし貧富の差だったり差別の要素が無かったら、ここまで絶賛されなかったかもしれないです。
貧富の差を表現する為にポンジュノ監督は、半地下という下のイメージと高台の豪邸という上のイメージ…そう差を作り出して貧富の差を表現していると言っていたんです。
貧富の差の要素がなかったら、ここまで深い感じにはなかったし、ストーリー展開も微妙になっていたかもしれない。
過程の話なんで、「かもしれない」と表現しているが、個人的に思うのは、絶対そうだと思っている。
貧富の差だったり貧困差別という衝撃的な要素があるからこそ、絶賛されたのです。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由4)独特な緊張感に衝撃のラストと飽きさせない構成。
色んな感情の起伏に加え、感情移入する要素を盛り込んだ為に夢中にさせる構成は、絶賛されて当然だ。
最初の緊張感のない演出から一転、キム家族にバレるのではという緊張感にムングァンも同じことをしていた衝撃、ラストは、グンセが包丁で暴れまわり、ギテクがパク社長を殺す衝撃的な展開は、終始飽きる事なんてない。
いい構成は、普通絶賛されますよね?
このパラサイト半地下の家族のストーリー構成は、自分のような素人目から見ても上手いなぁって思ってしまいます。
実際、劇場でみた自分も途中から夢中になって、身を乗り出して観てしまったくらいです。
こうなる映画は中々ないんです。
こんな風に思っている人は、自分だけじゃないはず…アカデミー賞の審査員の人も同じように感じたからこそ絶賛したのでしょうね。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由5)社会情勢を絡めた「パラサイト」の衝撃的な意味。
パラサイト(寄生)しなければならない衝撃的な韓国の社会情勢をぶつけ、インパクトのある印象を与えたのは、人気…絶賛される大きな理由ですね。
韓国は、現在職が全くない状況で警備員の仕事に100人が群がると映画内で言っていましたね。
実際、テレビのニュースでも老人になっても働いていることが取だたされていました。
そんな社会情勢で、お金持ちに寄生しないと生きていけないことが映画内で描かれていましたね。
正直、ここまでの寄生の仕方は、日本では異常ですよね?
でも、そうしてまでしないと食っていけないってのは、この家族だけでなくグンセの一家(前の家政婦さんと夫)も言わば、夫を地下にかくまって住まわせていたほど。
闇金に追われたりするほど困窮してる姿は、かなりの衝撃度。
このインパクトは、あとを引くようなものであり、そういった類は、やはり評価にも大きく影響を与えるものなんです。
自分もこう書いている中、まだ鮮明に覚えているほど…
この衝撃、インパクトこそが…韓国の衝撃的な社会情勢を絡めたインパクトが絶賛された理由なんです。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由6)全てはお金という綺麗事なしの正直さと多数の衝撃をうまく合わせた。
綺麗ごとを一切ない貧困層にとっては、お金がなければ始まらないというあまりみないオチは、このストーリー構成とマッチしており、絶賛するに至っています。
ハリウッドでもお金がすべてって作品は、多くありますが、こう貧困層にスポットを当てて、家族の絆とかを大事にというよりもお金がなければ始まらないオチは、意外とないものです。
それにこの映画は、ブラックコメディというジャンルであり、ジャンルにマッチした終わり方ではないですか?
ブラック7割コメディ的な部分が3割ほど…もっとブラックよりかな。
ブラック要素が多いからこそこういった終わり方がいいのではないでしょうか。
パラサイトの衝撃的な意味やラストの衝撃的な展開、貧困の事実など様々な衝撃的な要素が混ざり合って、映画自体のクオリティを底上げしたんです。
各衝撃的な意味については、理由を他の理由のところで書いているので省きます。
・「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛される理由7)パク・ミョンフンのサイコパスさと ソン・ガンホの心情の変化の演技は評価されるべき。
パク・ミョンフンは、グンセ役で長年いた家政婦の夫であり、高台の豪邸の地下に何年も住んでいた人です。
このラスト付近のサイコパスな殺人鬼と化した演技は、最高でした。
半笑いで、顔はボタンをずっと頭突きしていたから血だらけで周りを斬り付けまくる様は、なかなかな演技でした。
一気にホラー感がでたのもストーリー構成だけではなく、このパク・ミョンフンの演技があったからこそなんです。
そしてもう一人、ソン・ガンホ。
半地下住宅に住む一家の大黒柱でパク社長の運転手をしていた人です。
半地下の臭いをディスられたのを聞いてからの演技がかなり良かった。
言葉にも出てきていたが、顔がそれ以上に物語っている。
軽蔑するなという憎しみが。
その思いが最後に爆発した様は、見ていてゾワっとさせました。
やはり、絶賛されるような作品には、目を引くようなキャストやゾワッと鳥肌を立たせてくれるようなキャストがいるのは間違いないんです。
なぜ「パラサイト半地下の家族」は人気、絶賛されるのか、まとめ
なぜ「パラサイト半地下の家族」が人気、絶賛される理由7つ)
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様々な国の問題…貧富の差をテーマにしている。
- ハッピーエンドのようで、ハッピーエンドでない独特なラスト。
- 「貧困差別」が引き金のクライマックスの衝撃度は凄まじい。
- 独特な緊張感に衝撃のラストと飽きさせない構成。
- 社会情勢を絡めた「パラサイト」の衝撃的な意味
- 全てはお金という綺麗事なしの正直さと多数の衝撃をうまく合わせた。
- パク・ミョンフンのサイコパスさと ソン・ガンホの心情の変化の演技は評価されるべき。