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感想評価)とある家政婦の生き様を独特な演出で語りかける…Netflix映画ROMA/ローマ(感想、結末)

 

    

とある家政婦の生き様を独特な演出で語りかける…Netflix映画ROMA/ローマ(感想、結末)

 

Roma/ローマ

Roma/ローマ

ネットフリックス公式サイトのROMA ローマの作品情報より引用

 (C)2018 Roma Netflix Participant Media.All Rights Reserved

 

第91回、去年のアカデミー賞(2019年)に受賞した作品。

演出やストーリーともにアカデミー賞を受賞するだけのクオリティだなと感じた。

その感想をどうぞ。

 

 

キャスト

ヤリッツァ・アパリシオ

 

マリーナ・デ・タビラ

 

フェルナンド・グレディアガ

 

ホルヘ・アントニオ・ゲレーロ

 

マルコ・グラフ

 

ダニエラ・デメサ

あらすじ~

 政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコ。ひとりの家政婦と雇い主一家の関係を、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロンが鮮やかに、かつ感情豊かに描く。

 

ネットフリックス公式サイトのROMA/ローマ作品紹介、解説欄より引用

 

解説

ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。

キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。

2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。

第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。

Netflixで18年12月14日から配信。日本では19年3月9日から劇場公開される。

 

ネットフリックス公式サイトのROMA/ローマ作品紹介、解説欄より引用

 追記…アメリカ映画では珍しい、言語が英語以外で話されている作品です。

 

原題、Roma

上映時間、135分

監督、脚本

 

アルフォンソ・キュアロン
製作
アルフォンソ・キュアロン
ガブリエラ・ロドリゲス
ニコラス・セリス
製作総指揮
ジョナサン・キング
デヴィッド・リンド
ジェフ・スコール

配給、ネットフリックス

 

 

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ストーリー…9/10

キャスト…7/10

 

 個人的評価…9/10

 

第91回 アカデミー賞(2019年)
受賞
監督賞、撮影賞

アルフォンソ・キュアロン
外国語映画賞


ノミネート
作品賞
助演女優賞
マリーナ・デ・タビラ
主演女優賞
ヤリッツァ・アパリシオ
脚本賞
アルフォンソ・キュアロン
美術賞
音響編集賞
録音賞
第76回 ゴールデングローブ賞(2019年)
受賞
最優秀監督賞
アルフォンソ・キュアロン
最優秀外国語映画賞
ノミネート
最優秀脚本賞
アルフォンソ・キュアロン
第75回 ベネチア国際映画祭(2018年)
受賞
金獅子賞
アルフォンソ・キュアロン

 

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一文感想 ↓

クレオ

クレオ

ネットフリックス公式サイトのROMA ローマの作品情報より引用

 (C)2018 Roma Netflix Participant Media.All Rights Reserved

裕福な家政婦の視点から見た客観的視点…面白い映画。

観た感想は、見終わった後何とも言えない感じに襲われた。

意外とよくある話なんだろうが、モノクロや感情を揺さぶる演出も相まって、心に響いた。

 

色んなカットが何かメッセージを秘めているんだ。

演出の構成は、他の映画とは違う、客観的な視点を意識しており、色んなカットで視聴者に語りかけているイメージ。

直接喋りかけてるとかそういうんじゃ無いんだ。

演出で語りかける何か語りかけるんだ。

そのおかげで、何とも言えない感じに襲われる。

こればっかりは、観て感じてもらいたい。

 

この映画…何が凄いかって、演出がなんだよ。

長回しカットやモノクロ映像など全ては、内容を引き立たせるための監督の作戦なのだ。

 

1970年代のメキシコの家政婦視点が面白い。

なす術なく立ち尽くす感じや緊張感は、とても良かった。

他にも家政婦としての色んな心情は、心を揺さぶられた。

 

平凡なストーリーに当時の時代背景がリアルさが滲み出る。

当時の風景や雰囲気をリアルに演出しているように感じた。

 

 

ドラマ映画を観たいという方は特にオススメだ!

 

 

 

他の人のレビューだと…

フィルマークス 3.8

映画.com 3.9

かなり高評価で、色んなコメントがあり面白かった。

一概に言える事は良かったということ。

特に「そうなんだ」って思ったのが、モノクロなせいで、敷居が高く感じるみたいだ。

 

高評価の意見としては…

 モノクロの雰囲気が良い、

低評価の意見としては…

 眠くなる、

 

 

 

 

下記詳しい感想 ↓ 

家政婦のクレオ

家政婦のクレオ

ネットフリックス公式サイトのROMA ローマの作品情報より引用

 (C)2018 Roma Netflix Participant Media.All Rights Reserved

この映画…何が凄いかって、演出がなんだよ。

観ていて、他と違うように感じた部分が3つ程ある。

 

凄いと感じた理由

  1. 日常をリアルに撮る為の長回しカット。
  2. 長回しと俳優の意味深なシーン。
  3. 今の時代のモノクロ映像。

 

視点は基本客観的な視点を意識しているように感じた。

それは、他の映画にもよくあること。

決定的に違う点が一つある。

それは、長回しカット。

他の映画だと数カット程の長回しカットを用意するところ、この映画は数十カットレベルで入れている。

 

自分が全部観て感じた、長回しを多く入れている理由は、なるべく日常の風景のリアリティを出すためだ。

そもそも人が普段生活している時、何か大きな出来事が起こっている場合はキョロキョロすることは殆どない。

病院で緊急の患者が運ばれる時、「なんだ?」と注視するでしょ?

そのイメージで、長回しのカットを作っているように感じた。

 

長回し中、俳優達が意味あり気な演技をする。

色々監督の色んな意味があるのだろうと感じた。

落ち込んでる時の項垂れてる姿…

逆光にして、悲しみが滲み出ていたりする。

他にも純粋に長回しの演技をしっかりやり切る俳優も凄い。

 

最後の白黒の演出。

これは、何げないとある家政婦の日常の記憶のようなものの映画。

どこにでもいる家政婦のちょっぴり波乱に満ちた生き様なんだ。

この「記憶」ってのがミソだ。

色鮮やかなものより過去の苦い思い出は、どちらかと言えば、白黒なイメージの方がピンとくるだろう。

白黒のイメージは、思い出したくないような辛い思い出という印象をつけさせてくれる。

観ていて、そう思わせたいと感じた。

 

一見意味が無さそうな長回しや白黒の映像化の演出も全て意味をなしてるのが凄い。

とある家政婦のちょっぴり波乱に満ちた思い出を監督の色んなアイデアでこっそり記憶を覗き込んでいるように思わせる工夫があるんだ。

       

     

 

1970年代のメキシコの家政婦視点が面白い。

1970年代のメキシコは、波乱に満ちている。

反政府デモ隊を軍隊によっての弾圧で300人もの死者を出したトラテロルコ事件

1971年6月10日の「血の木曜日事件」。

体制による強権的な反対運動の弾圧などもあったんだ。

このROMA/ローマの映画の中でも描かれている。

その視点を反政府側でなく、街のとある家政婦目線というのが面白い。

それは、リアリティだ。

急に事は起こる。

買い物中急に外が騒がしくなり、銃の発泡音がしたりする。

そこになす術なく立ち尽くす感じや緊張感は、とても良かった。

 

サラッと進んでいくが、観ている側は、衝撃が走る。

それまで平和な日常で、緩急が一切無かったからね。

観ていて、「え?そんな展開になるの?」と感じるはずだ。

         

 

平凡なストーリーに当時の時代背景がリアルさが滲み出る。

この映画、日常の風景が地味に凝ってる。

当時の風景や雰囲気をリアルに演出しているように感じた。

まぁ、自分は平成生まれの日本人だから、1970年代のメキシコの風景なんて知ったこっちゃないんだよ。

でも、そう思わせるって事は、相当気を使っていたと分かる。

 

意外と難しい…全く当時の雰囲気を知らなくてもなんとなく分かる違和感。

作りが甘いと感じるんだよ。

知らなくったって、長年生きてきた色んな経験や知識から分かってくる事が多い。

例えば、タバコを映画館で吸ったり、家具の雰囲気や服装などなど。

長年観てきて、そう思わせられた経験から話している。

だが、この映画にはそれが無い。

 

それもそのはず…これはメキシコ生まれの監督アルフォンソ・キュアロンが当時の幼少期の思い出を頼りに作られていた。

観ていて感じたリアルな街並みもうなずけるというものだ。

 

 

 

 

ネタバレ感想

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家政婦のクレオを妊娠させたフェルミンをどう捉えるか…

主人公クレオを妊娠させてトンズラこいたフェルミン。

だが、彼は反政府の人だった。

 

最初は、フェルミン…クズじゃねぇかって思った。

だが、後半の反政府としてクレオと鉢合わせになったフェルミンの顔を見た時のお互いの表情はどうだろうか…

驚きもあり、みられてしまったという悲しい気持ちもあるように思えた。

 

結論からこいつクズじゃねぇかってのは変わらない。

 

でもこうも考えられる。

フェルミンは、反政府活動をするので、クレオと一緒になれば、迷惑がかかる。

最悪命だって狙われかねない。

それを回避する為に突き放したのでは無いかと…

そう考えると多少なりともフェルミンの印象が変わる。

でも、クズな事には変わりないけどな!

 

クレオの心情

クレオは、子供が産まれてくる事を喜んでるとばかり思っていた。

だが、死産して、終盤には子供が産まれてほしくなかったと言っている。

 

その複雑な心境が伺える…

子供が産まれたとしても、家政婦としての稼ぎで自分一人で面倒を見る重圧。

家政婦をしていたから分かる、子育ての大変さ。

それを考えると、産まれてくる子供を幸せに出来ないのではという考えがよぎったのだろう。

 

死産した後の真顔の長回しは、色んな意味が込められているように感じた。

 


 

結末~

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 登場人物と簡単な説明

クレオ(主人公でソフィア達の一家の家政婦)

ソフィア(夫に逃げられた生科学者)

 

ソフィアは夫に逃げられ、クレオは流産してしまった。

クレオは、ソフィアとその夫のアントニオの家で住み込みで家政婦をしていた。

そんなある日、クレオフェルミンの子を妊娠してしまう。

フェルミンは、それを聞き、逃げてしまった。

クレオが一人で産むことを決意する。

 

ソフィアも夫が2週間の出張に行ったっきり帰って来ない。

そう、アントニオはソフィア達を捨てたのだ。

それが分かって自暴自棄気味になってた。

 

クレオは、ベビーベッドを買いに行った時、反政府の暴動に巻き込まれる。

そこには、フェルミンの姿もあった。

その時、クレオは破水するもそのまま死産してしまう。

 

ソフィアは子供達と旅行を計画し、それにクレオもついていくことに。

そこでソフィアは、子供達に夫と離婚することを話す。

最終日、子供達は溺れて死にかけたところをクレオは、なんとか助けた。

ソフィアと子供達とが慰めあってる最中、クレオは、子供が産まれて欲しくなかったが、死産はかわいそすぎると心の内を話したのだった…

 


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