(解説)ランボーシリーズに原作があるのって知ってた?
ランボーシリーズは、下積み時代のシルベスター・スタローンが脚本を書き、配給会社に売り込みに行ったというのは有名な話ですね。
そのランボーシリーズには、しっかりと原作が存在したんです。
その原作について(作者や作った経緯)の紹介と映画と原作の違いについて解説していきます。
( こんなことが分かります)
✔ ランボーシリーズの原作について
✔ 原作と映画の違いについて
ランボーの原作「First Blood」について解説
ランボー3怒りのアフガンから参照
TriStar Pictures, Inc Rambo Ⅲ.All Rights Reserved
ランボーシリーズの原作は、『一人だけの軍隊』で原題は「First Blood」。
1972年に発表されたディヴィッド・マレルによるアクション小説になります。
1982年に『ランボー』として映画化され、後に複数の続編が作られ後に26以上の言語で翻訳される程有名になった。
因みに原作では、映画部分の1作目ランボーの部分のみとなっており、2作目以降は、原作通りではない。
だが、ランボーが映画で成功したことによって続編の映画…『怒りの脱出』と『怒りのアフガン』が作られた。
その後、その2作品の『怒りの脱出』と『怒りのアフガン』についてはマレル自身による小説化が行われていることになったのだ。
そう、映画化されてからディヴィッド・マレル自身が書籍化してるんです。
因みに脚本や原案にはディヴィッド・マレルの名前はない。
・First Bloodは、どういう経緯で書かれたの?
自分も疑問に思ったことなんですが、このFirst Bloodという本を書こうと思った経緯はなんなのか…
それには作者のディヴィッド・マレルの想いがあったんです。
簡単にまとめてかくと…当時教員だったディヴィッド・マレル(オンタリオ州南部育ち)は、ベトナム戦争に従軍した学生の1人から戦地での経験について聞き、それをきっかけに本作の執筆を開始したようです。
ランボー自体、ベトナムの帰還兵だったので、なんとなく予想はつきましたね。
ですが、実際従軍していた人の経験をもとに書いていたとは…
妙に映画自身もリアリティがあったのはこのせいだったんですね。
もっと詳しく書くと…
1960年代の半ば、ペンシルバニア州でアメリカ文学を研究するためにアメリカに来ていた。
当時、カナダではベトナムはほとんど言及されていなかったので、最近ベトナムから帰国した学生たちに会ったとき、戦争がどういうものだったのか全く分からなかったそう。
会ってビックリ…心的外傷後ストレス障害に悩まされていた。
この出会いをきっかけに悪夢、不眠症、うつ病、人間関係の難しさ、今や心的外傷後ストレス障害と呼ばれているものが民間人の生活に順応する問題について学びことに。
当時は、心的外傷後ストレス障害と言うものがあまり認知されていなかったみたいですね。
1968年のテレビニュースの2つのメイン記事は、ベトナムとマーティンルーサーキングジュニアとロバートケネディの暗殺後にアメリカの都市で発生した何百もの暴動でした。
戦争のイメージと暴動のイメージはあまり変わらないと思い、広く伝える意味も込めて、この小説を書くことにしたようです。
他にもディヴィッド・マレルは「1968年、私が『一人だけの軍隊』の執筆を開始したとき、ジェフリー・ハウスホールドの『追われる男』(Rogue Male)から深く影響を受けた」と語っていたそうなんです。
Rogue Maleは、第2次世界大戦中の話でヒトラーをライフルで射殺しようとするが躊躇ってしまい、警備員に見つかり捕縛…そこから主人公の壮絶な人生を歩む話。
これは、1976年に映画化されているようですが、日本語字幕版が見つからないです。
雑学のような話なんですが、主人公ランボーの名は、名前を考える時に彼の妻が持ってきたランボー・アップルに因んだものであったそう。
まさかあの屈強なジョン・ランボーが女性から取ったとは…驚きですね。
ランボーの原作「First Blood」と映画は違うの?
原作と映画では違うのかどうかが気になると思います。
全く違う…というわけではありませんが、多少違う部分があります。
サムトラウトマン大佐の肩書がグリーンベレーの教育スクールの校長だという事。
映画では、ベトナム戦争中の指揮官で第5特殊部隊グループでした。
他にも最後殺されそうになっていたティールズ保安官。
実は原作では、朝鮮戦争の復員兵であり、ランボーと同じく心的外傷後ストレス障害に悩まされていた。
その絡みで後のストーリー展開もこれが絡んだ展開も含まれています。
原作の方は、映画よりもベトナム戦争の帰還兵の心の病や心情がより描かれているんです。
ランボーの原作「First Blood」解説のまとめ
原作情報)
- 『一人だけの軍隊』で原題は「First Blood」。
- 1972年に発表されたディヴィッド・マレルによるアクション小説。
- 映画化をきっかけに26以上の言語で翻訳された。
書くことになった経緯)
当時教員だったディヴィッド・マレル(オンタリオ州南部育ち)は、ベトナム戦争に従軍した学生の1人から戦地での経験について聞き衝撃を受けた。
それをきっかけに本作の執筆を開始した。
映画と原作の違い)
サムトラウトマン大佐の肩書。
原作だとグリーンベレーの教育スクールの校長で、映画だとベトナム戦争中の第5特殊部隊グループの指揮官。
ティールズ保安官の過去。
映画では一切語られていないが、原作だと朝鮮戦争で心的外傷後ストレス障害に悩まされていた過去がある。
原作では、この暗い過去が後のストーリー展開に大きく影響している。