感想評価)人種差別の現実が見え隠れしている…グリーンブック(感想、結末、裏話)
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
- 感想評価)人種差別の現実が見え隠れしている…グリーンブック(感想、結末、裏話)
- 音楽って素晴らしいし、何かを目指す頑張る姿は人を惹き付ける。
- トニー・リップ・ヴァレロンガという人物
- ドクター・ドナルド・シャーリーという人
- 黒人と白人が差別主義真っ只中で何を思うのか…
- 余談、裏話…
- 結末~
キャスト
トニー・“リップ”・ヴァレロンガ
ドクター・ドナルド・シャーリー
ドロレス・ヴァレロンガ
…リンダ・カーデリーニ
オレグ
…ディメター・マリノフ
ジョージ
…マイク・ハットン
ルディ
…フランク・ヴァレロンガ
あらすじ~
舞台は1962年のアメリカでジム・クロウ法の真っただ中、トニー・“リップ”・ヴァレロンガはニューヨーク市のナイトクラブで用心棒をしていた。
とある日、彼が働いている「コパカバーナ」というナイトクラブが改装工事のため閉鎖されてしまう。
新しい仕事を探している矢先に、アメリカ中西部、ディープサウスを回る8週間のコンサートツアーの運転手を探しているアフリカ系アメリカ人のクラシック系ピアニスト、ドン・シャーリーとの面接を紹介されるのであった…
個人的評価…9/10
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
一文感想 ↓
音楽って素晴らしいし、何かを目指す頑張る姿は人を惹き付ける。
トニーリップの荒々しく、ナイトクラブで用心棒をしていて、黒人を差別気味な人とアフリカ系アメリカ人でクラシック系ピアニストでケンタッキーも食べたことのない、「礼儀正しくしなければならない」と思っているドンシャーリーという真逆な2人が運転手件執事と雇い主という関係でツアーを周る実話。
正直、これを聞いた時は、この設定だけで興味がガンガン沸いてきた。
その背景には、題名の通りグリーンブック(黒人ドライバーのためのグリーンブック)という差別が横行している時代背景もあり、考えさせられるような堅苦しい感じなのかと思えば…
2人の真逆の会話だったり行動と変わっていく2人についつい引き込まれてしまう程の良作。
もちろん、いまだに存在している差別という壁を題材にしている分、考えさせられる部分もあるが、2人の悩み苦しんで、変わっていく様に加え、人の温かみを十分感じさせられて、落ち込む考えさせられるというより前向きになれる上、感動する作品になっていた。
それに、マハーシャラ・アリのピアノ演奏に驚いてしまった!
あんなに弾けるのか…はたまた、エアピアノなのか…ピアノについてはからっきしダメなので、判断つかないが、見ていて自然だし…マジで弾いているのかもしれない…
凄いの一言だった!
正直、最初は少し暗く考えさせられる重たい映画なのかと思っていたが、いい意味で期待を裏切られた風になっていた。
実話ベースの映画を観たいという方は特にオススメだ!
下記詳しい感想 ↓
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
トニー・リップ・ヴァレロンガという人物
彼は、ナイトクラブで用心棒をする程の腕っぷしの強さだ。
そのうえ、奥さんと子供が2人いて、お金に結構困っているうえ、マフィアまがいの連中ともつるんで仕事を転々とする毎日。
そして、黒人をどことなく差別意識をしている彼がシャーリーという礼儀正しい人に会った時のファーストコンタクトは最悪で、なんだかよくあるアニメのはじめのようでワクワク感が感じられた。
そんな彼にも流儀があって、請け負った仕事をしっかりこなす事。
そう、自分が嫌い若しくは苦手と思っている人間にもしっかりと仕事を完遂するという事。
それでいて、問題解決能力に優れている(この点をシャーリーに買われて、雇われた)
という事は、トニー良い人柄であり、シャーリーを惹き付けていく結果になる。
そりゃ、自分と真逆の人間に触れあって、世界もいわば真逆な人間だからこそひかれあうのかもしれない。
因みに、トニーの声は、大塚芳忠なので、吹き替えで見るのもオススメできます!!
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
ドクター・ドナルド・シャーリーという人
ドクターといいながら、音楽家でいて、礼儀正しい。
どれだけ正しいかというと人生で一度もケンタッキーを手で食べた事がない(元々ケンタッキーを食べたことない)上、車に乗る時は膝上にブランケットをかける程。
車に乗る時、寒い以外の時に膝上にブランケットなんてかけないし、自分はそんなかけた事なんで一度もない。(寒かったら着込むし笑)
それでいて、シャーリーはどこか影がある。
例えば、最初であった時の一つ一つの表情が暗いというか、なんだか楽しそうでないという表情だ。
そんな彼が一番輝いて見えたのが、やはりピアノ演奏でステージに立っている時。
堂々としていて、演奏終了後には笑顔だ。(そりゃ真顔だとクレームとかくるから作り笑いかもしれないけど)
その演奏の時くらいにしか最初は笑顔のシーンがないのだ…
それだからこそ、つまらなそう、暗いというか影のある雰囲気を醸し出している。
これこそ、演技の伏線と言えるもので、そういうことを考えながら作品を見るのも楽しいものだ。
しっかりこの伏線も回収されるし、これこそ最大の伏線なんだがね笑
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
黒人と白人が差別主義真っ只中で何を思うのか…
日本の平成生まれには、馴染みのない教科書で見るような話しのレベルだが、これは実際にあったことであるというのは、自分自身衝撃的だった。
黒人専用トイレとか専用レストランとかが公共の場に存在する異様な光景は、なんだか違和感しかない。
そんなことは、黒人であるシャーリーが一番分かっていることであり、かなり苦しんでいる事。
だが、白人であるトニーにはあまり考え込んでいない様子。(そりゃ迫害する側の人間だしね)
そんな相反する2人が黒人と白人というこの世界観では異質な組み合わせだからこそ、ポスターの表紙は異質なものであり、この世界で差別されていた側が後ろで大きな態度で座っていて、差別する方が運転をしているという異質!
これだけでも、海外の人にはかなり衝撃で惹き付けるだけでも十分なのだろう。
シャーリーとトニーが一緒に旅する中で仕事の依頼主という関係を超えて親友になっていく様は、見ているこっちが救われるような応援してしまいそうだった。
こうシャーリーがトニーの手紙を手助けしているシーンもなんとも微笑ましかったし、あんなに楽しそうな旅なら自分もしてみたいと思ってしまう程。
だが、シャーリーには、色々この旅には決意を込めて受けているということを知ってからは、あの最初の暗い表情の本当の意味が見えてきて、見えてきた時には、悲しくなってしまった。
感動の物語の裏に悲しき歴史が隠れているのだなぁとシミジミ感じてしまった。
余談、裏話…
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
トニーリップヴァレロンガは、実はアメリカの俳優であり作家として後々に成功しています。
ゴットファーザーの映画デビューに繋がった『Shut Up and Eat!』(2005年)という本を共同執筆していたりしています。
グリーンブックとは
アメリカ合衆国が人種隔離政策時代の1930年代から1960年代に、自動車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行されていた旅行ガイドブックです。
書名は創刊者であるヴィクター・H・グリーンに由来し、「グリーンによる黒人ドライバーのためのガイドブック」というほどの意味らしいですね。
主人公であるトニー・リップの役柄が「黒人を差別から救う救済者」として誇張された伝統的すぎるキャラクターだったことやシャーリーの遺族から「この映画が伝説のピアニストと家族の関係について観客に誤解を与えるような解釈をしている」との抗議も受けていたことがあったとのこと…
下記参考サイト)
アカデミー賞作品賞「グリーンブック」が直面した遺族からの抗議 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
因みに今回ずっと使用していた車は、キャデラック ドゥビル セダンという車ですね。
結末~
映画.comグリーンブックの作品情報より引用
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.
8週間の旅(ディープサウス)を周る旅にトニーは運転手件執事として一緒に回る
アラバマ州のバーミンガムに向かう途中、警察に黒人が夜中歩き回るのは違法だという
ことで、止められ、トニーは警察に侮辱されたことで警官を殴り、逮捕される。
そして、シャーリーは、弁護士に話したいと警察に言い、電話したのが、司法長官の
ロバート・ケネディだった。
その後、警察に圧力をかけて貰い、釈放、無事ツアー最終公演に間に合う。
その夜、シャーリーは、演奏するために招待されたカントリークラブで白人専用レストランの為、食事はできないと断られる
シャーリーは、ここで食事をとらなければ、演奏しないと言い張るが、結局、店側は断固として食事をさせなかった。
その結果、シャーリーは、ブラックブルースクラブのオレンジバードで夕食と取らせるために連れて行く。
そこでご飯を食べていたら、店員に話しかけられ、世界一のピアニストだと伝えると、言葉より聴かせてと言われて、
生演奏する。
ショパンの練習曲作品25-11を弾くと観客が拍手を持って絶賛。
その後も演奏をした。
トニーとシャーリーは、クリスマスイブまでに家に帰ろうと家路に急ぐが、途中警官に止められる。
警官は車がパンクしているとのことで助けてくれたのだ。
トニーは、睡魔に勝てなくなり、モーテルで休ませてくれというが、シャーリーにもう少しだと励まされるも、トニーは限界を迎える。
そして、シャーリーが代わりに運転して無事家に着くことが出来た。
トニーは、家で家族と会っていけというが、シャーリーは断り、家に帰ってしまう。
家に着き、早々に執事を返すその時、執事が「メリークリスマス」と微笑み、シャーリーも「メリークリスマス」と微笑み返す
シャーリーは、一人寂しく座っているのだった。
トニーは、家族と共にクリスマスパーティを楽しんでいると、質屋の夫婦が来て、パーティーに参加。
そして、シャーリーも訪れたのだった。
トニーは、シャーリーを暖かく迎え、家族たちに紹介すると、家族たちは、彼の席を作れと言い、歓迎する。
トニーの奥さんに彼を返すよと言って挨拶の抱擁したとき、彼の手紙を書く手伝いしてくれてありがとうとお礼し、シャーリーが少し驚きながらも微笑み、もう一度挨拶の抱擁をするのであった…