悲しみと同時に怒りもこみ上げてきた…ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~(感想、結末、裏話)
映画.comユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~の作品情報より引用
(C)2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.
- 悲しみと同時に怒りもこみ上げてきた…ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~(感想、結末、裏話)
- 見つかる=死という極限の緊張感の中に動物という名の癒しがある良い映画。
- 動物には罪はないのにポンポン殺される様は、ショッキングな思いと同時に苛立ちも感じさせられた
- 動物の可愛らしさに癒された
- ジャビンスカ夫婦とルーツヘックの謎の関係にドキドキする
- 余談、裏話…
- 結末~
キャスト
アントニーナ・ジャビンスカ
…ジェシカ・チャステイン
ヤン・ジャビンスキ
…ヨハン・ヘルデンベルグ
ルーツ・ヘック
…ダニエル・ブリュール
イエジク
…マイケル・マケルハットン
リシャルト(リシュ)・ジャビンスキ
…ティム・ラドフォード(若年期)/ヴァル・マロク
あらすじ~
ジャビンスカ夫妻は、ポーランドのワルシャワ動物園を経営している。
第二次世界大戦が起こるまでは、平和な日々を過ごしていたのだった。
だが、第二次世界大戦が勃発し、動物園の動物もその被害に合い始めて、動物園を閉園せざるおえなくなってしまった。
だが、夫のヤンは、なんとしてでもこの動物園を残したいとのことで、養豚場として残すことを決意。
そして、ジャビンスカ夫妻はユダヤ人と親交が深かったのもあり、アントニーナは、一人の仲のいい女性を匿ってから、他のユダヤ人も匿うことのするのだった…
個人的評価…7/10
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一文感想 ↓
見つかる=死という極限の緊張感の中に動物という名の癒しがある良い映画。
実際今も運営し続けているとある動物園の実話に基づくお話。
最初は、いい動物園でちょっと周りは鼻に突く人達がいるかなってくらいの話でしたが、急に戦争がはじまり…そう、このワルシャワ動物園も被害にあってしまう。
何も罪のない動物たちが戦争によって殺されていく様は、観ているこっちが辛い気持ちにさせられる。
それれと同時に怒りも覚えた自分がいて…事実ということも相まってのことであろう。
生き残った動物たちも食糧難から殺されていく様…人間たちが勝手に起こした戦争で、ポンポン殺されていき、なんの躊躇もせずに殺せる人達が蔓延っているという世界はまさに狂気的な世界。
そんな世界にユダヤ人たちを救おうと発起した アントニーナ夫人と夫のヤン。
ユダヤ人を匿ったり移送する姿は、こういう戦争系映画の独特な緊張感が味わえる。
それも事実に基づくので、主人公が死んだりするパターンも普通にあり得るので、どうなるんだろうとドキドキしながら観れる。
これも事実を元に作られた映画の醍醐味であり、見所の一つだと思う。
そんなみつかった=死刑という究極の緊張感の中にわずかに生き残った動物達を愛でたりする姿は、唯一の癒しともいえる。
ウサギとかスカンク??とかとても可愛らしく、観ていて和む。
他にもジャビンスカ夫妻とルーツヘックの微妙な関係も見所の一つであると思う。
ルーツヘックは、この映画のキーキャラと言える人物でもあるので、よく注意しながら観るとより楽しめる。
事実を元にした映画を観たいという方は特にオススメだ!
下記詳しい感想 ↓
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動物には罪はないのにポンポン殺される様は、ショッキングな思いと同時に苛立ちも感じさせられた
戦争なのだから、動物も死んでしまうのは当たり前であろう。
戦闘機の視点からすれば、動物園はデカく、恰好の的なのもなんとなくわかる。
でもこうやって動物園側の視点から見てみるとなかなか辛いものがある。
空爆によってポンポン殺されていく動物達をただただ見ていることしかできないアントニーナの涙する姿は、観ているこっちの刺さるものがある。
それでいて、食糧難だからといって、大きな動物たちをポンポン殺されてしまう。
冒頭でアントニーナと楽しく一緒に巡回していた子ラクダ(アダム)があっけなく銃殺された時は、まさに…(´;ω;`) こんな顔になってしまった…
事実だというのだから、驚きだ。
こういった事実を基づいた映画は、どこか誇張している部分があるにせよ、事実の部分も十分たくさんはいっている。
だからこそ、こんな狂気な世界が存在していたんだなと考えさせられた。
特に、ユダヤ人たちを隔離させてその辺に凍え死んだり、ぞんざいな扱いをされる姿をみるとなおさらだ。
歴史の授業では、大量虐殺がドイツで行われたとか文面上でしか紹介はされない。
精々、酷いなぁとどこか他人事のような感想くらいだろう。
だが、こうやって事実に基づいて映像として観てみた時、他人事のように思えなくなってしまう…
観ていて色々想像してしまい…もし自分がこの場にいたら?もし、自分の子供がああなってしまったら?と考えてしまうだけでゾッとしてしまうし、そうなったら怒りを覚えるだろう。
人間もポンポン殺されてる世界なのだ…動物なんてなおさら酷い扱いをされていた…
こんな狂気な世界が約80年前に起こっていたなんて…と考えさせられてしまった。
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動物の可愛らしさに癒された
上記で、無残に殺されて怒りを覚えたぜ!って書きながら、わずかに生き残った動物たちにどこか癒される自分がいたのも確かだった。
子ウサギだったり、スカンク?的なのだったり、まぁ大人しい!
ウサギも物語が進むにつれて大きくなって…大きくても可愛いわ!!
自分が小さい頃は、ウサギを抱っこしたいが為に追いかけまわしてたが、まぁ逃げ脚速い上に、なついてくれない。
そりゃ、映画みたいに長年愛情を注いでないからなんだろうけど、子供の時の自分にはそんなことわからずに…追っかけまわしてた思い出がフラッシュバックされる。
こんなに懐いたら、なんとも可愛いことだろうかと…鼻をひくつかせて、大人しく抱っこさせられる姿は、愛らしい。
ですが、そんなウサギを抱っこしている少女…ウルシュラは、ドイツ兵に性的暴行をうけて、ヤンに保護されたんだが、そんなウサギにとある名前をつける。
ピョートルっていう名前なんだが、実の弟からつけたんだ…とか言い始め、アントニーナが号泣する。
そんな流れでいったら、確実に弟さん死んでいるパターンじゃないか!癒しから一遍現実に引き戻され、悲しい気持ちにさせられてしまった…
そう、ここは第二次世界大戦真っ只中のポーランドが舞台なのだ。
つくづく戦争は、ダメだ!と考えさせられた。
とにもかくにも…こんな戦争で人がバッタバッタ死んでいく世界で、どこか平和で和む世界があるってのも不思議な感じにさせられた。
映画.comユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~の作品情報より引用
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ジャビンスカ夫婦とルーツヘックの謎の関係にドキドキする
映画序盤のまだ戦争の影響がポーランドに及ぼす前の話…ジャビンスカ夫人の見る目がちょっとおかしいルーツさん。
絶対狙っているだろう!?って思わされるルーツヘックは、ドイツの動物学者。
第二次世界大戦がはじまってから、動物園をルーツを利用して、養豚場件ユダヤ人を逃がす中継地にしようとする。
ユダヤ人を匿っているがバレるドキドキ感と動物たちの癒し…そして戦争の悲惨さの中にジャビンスカ夫人を狙っているのであろうルーツさん!
個人的には、家政婦は見たの家政婦の気分でドキドキしながら観ていました笑
まぁ、権力に物を言わせて、行動するルーツさんはゲスいなぁと思っていましたね。
余談、裏話…
映画.comユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~の作品情報より引用
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ワルシャワゲットーとは…
第二次世界大戦中にナチス・ドイツがポーランドのワルシャワ市内に設置したゲットー(ユダヤ人隔離地域)である。
ナチスが創設したゲットーの中では最大規模のものだとか。
ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語という本が原作である。
「ユダヤ人を救った動物園」園長夫人は命の恩人!“当事者”が当時を回想 : 映画ニュース - 映画.com
結末~
映画.comユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~の作品情報より引用
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登場人物と簡単な説明
アントニーナ・ジャビンスカ
(ワルシャワ動物園の園長夫人)
ヤン・ジャビンスカ
(ワルシャワ動物園の園長)
リシャルト(リシュ)・ジャビンスカ
(ヤンとアントニーナの息子)
ルーツ・ヘック
(ナチスドイツの動物学者)
最後にはルーツベックにバレるも全員逃がした後であった。夫のヤンも無事生還しハッピーエンド!
夫のヤンは、ポーランドの抵抗軍に参加するも被弾してしまい、ドイツ軍に捕らえられてしまう。
その知らせを聞いたアントニーナは、急いでドイツの動物学者のルーツヘックの元へ行き、夫が無事であるか調べてほしいといった。
だが、ルーツはその見返りを求めはじめ、アントニーナは服を渋々脱ぎ始める。
その間、息子のリシュがヒトラーくたばれと言った事を問いただしたりしている間にルーツは、抑えることができなくなり、アントニーナに襲い掛かる。
ベットに押し倒して、襲い始めようとしたが、ルーツは全てが分かってしまった。
ワルシャワ動物園で豚の養殖をしたりしようと言った事やリシュの発言にリシュと父のヤンが居たところから出国手続きに使うハンコが使われていた痕跡を発見したことから、ワルシャワ動物園でユダヤ人を匿っていたことに気づいてしまう。
その後、アントニーナは自宅に帰宅し、ユダヤ人たちにドイツ軍がくることを教え、急いで逃がす。
それと入れ違いになり、ルーツが現れ、家を調べ始めたら、地下のユダヤ人を匿っている所を発見。
そこには、子供が書いたと思われる様々な絵が壁に書かれており、外へと続く隠し通路も発見する。
その奥で誰か人影を発見し、ルーツは追いかける。
その人影はリシュで、必死に逃げるが捕まってしまう。
捕まると同時にアントニーナがルーツに慈悲をこうが、リシュに母を動物用の檻に入れさせ、鍵を閉めさせる。
その後、ルーツはリシュを遠くに連れて行き、1発の銃声が響く。
アントニーナは、リシュが撃ち殺されたと勘違いしたが、実はリシュは死んでいなかった。
ルーツが見逃してくれたのだ。
その1年後、第2次世界大戦が終結した1945年。ワルシャワ動物園に帰ってきたアントニーナたちは、そこで旧友のユダヤ人たちや動物園の手入れをしてくれてた人達と久々に再開する。
そして、夫のヤンも無事帰ってきたのだった…
映画後の後日~
300人近いユダヤ人が救われた
ローザアンゼロヴナと母親は下宿で殺されたが、20年後、アントニーナとヤンは諸国民の正義の人として、イスラエルからヤド・ヴァシェム賞を授与。
ヘックは帰国、ベルリン動物園は連合軍に破壊、オーロックス再生失敗に終わる。
ワルシャワ動物園は、今も変わらず開園している。
ネタバレ付き感想 ↓
ヤンが帰ってきて、よっしゃー!と嬉しい気持ちになった、いい結末だったと思う。
ヤンがどうやら首あたりに銃弾を受けてしまい、ドイツ軍に掴まってしまったらしいのだが、ラストには無事生還して帰ってきた。
事実を元に作られた戦争系の映画としては、珍しい家族が誰も死なないハッピーエンドな終わり方だ。
動物はたくさん死んでしまったが、家族は死んでいない…ちょっと手放しに喜べない部分もあるが、なかなかいいエンドだったと思う。
途中から絶対ヤン死んでしまっただろうなぁと諦めていた節があるので、生きて帰った時は、凄く嬉しかった!